民泊清掃会社の経営相談を受けると、「売上は伸びているのに手元にお金が残らない」という声をよく聞きます。原因のほとんどは、売上以外の数字を毎月追えていないことにあります。ここでは、黒字化のために必ず把握すべき5つの数字を解説します。
1. 1件あたりの粗利
最重要の数字です。清掃単価から、その1件にかかった人件費・リネン費・移動費・消耗品費を引いた金額が「1件あたり粗利」です。
ここがマイナスのまま件数を増やすと、働くほど赤字になります。まずは全案件ではなく、物件タイプ別・エリア別に粗利を分解して、赤字案件を特定するところから始めましょう。
2. 人時生産性(1人1時間あたりの粗利)
清掃業は労働集約型です。スタッフ1人が1時間働いて、いくらの粗利を生んでいるかを見ます。
- 人時生産性 = 粗利 ÷ 総稼働時間
移動時間や手待ち時間が長いと、この数字は一気に悪化します。ルート設計や案件の地理的な集約で改善できる余地が大きい指標です。
3. 稼働率(実働時間 ÷ 拘束時間)
スタッフが現場で実際に手を動かしている時間の割合です。移動・待機・報告作業に時間を取られているほど稼働率は下がります。
4. リピート率・継続率
新規獲得はコストがかかります。既存ホスト・管理会社からの継続受注が売上の土台です。解約の予兆(クレーム、レスポンス低下)を早期に拾える体制が利益を守ります。
5. 1人あたり月間固定費
事務所・車両・保険・管理ツールなどの固定費を、稼働スタッフ数で割った数字です。これを把握していないと、繁忙期の利益が閑散期の固定費で消えてしまいます。
まとめ:数字は「分解」して初めて打ち手になる
5つの数字に共通するのは、全体の平均ではなく、案件・エリア・スタッフ単位に分解することで初めて改善点が見えるという点です。手集計では限界があるため、案件ごとの原価と工数を自動で集計できる仕組みづくりが、黒字化への近道になります。